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GoodDesign賞受賞について


合わせガラスの構成

 

防犯ガラス「Saflexとおせんぼ」は、それ自体はSaflex中間膜を2枚のガラスで挟んで熱圧着した合わせガラスにすぎません。身近な所では、自動車のフロントガラスは全て合わせガラスです。
合わせガラスの最大の特徴は、ガラスと中間膜が一体化し、ガラスが割れてもガラスが中間膜から剥がれ落ちたり飛散したりしないことです。そのため、合わせガラスであれば、ガラスで怪我をすることはほとんど無くなります。また、強靱な中間膜のおかげで、表面のガラスを割ってもガラス面を突き破る事が非常に困難です。自動車のフロントガラスに普通の板ガラスや強化ガラスだと、跳ね石などで割れてしまう(特に強化ガラスは、一瞬で全体が粉々に)ことがありますが、合わせガラスだと小さなヒビが入る程度で運転に支障が出ることはほとんどありません。また、事故(特に追突)の際に、乗員が窓を突き破って車外に放出されるのを防ぐこともできます。シートベルトをしていなければ、後部座席の子どももフロントガラスを突き破って飛び出す恐れがありますが、それを未然に防ぎます。
建築物でも合わせガラスを採用すれば、ガラス事故での怪我や惨事は大幅に減りますし、ガラスを割っての侵入や盗難などの犯罪も防ぐ事ができます。

 

このように安全性の高いガラスですが、20世紀が終わろうとする2000年当時、欧米各国では普及が進んでいるにもかかわらず日本の建築物にはほとんど採用されていませんでした。
合わせガラスはPVB(ポリビニルビフェニール)の中間膜と2枚の板ガラスから作られます。このPVB中間膜で世界TOPシェアを持つ米国ソルーシア社(当時)の日本法人、ソルーシア・ジャパン社※から、日本でも建築物に合わせガラスを採用させるマーケティングの提案・サポートを依頼されました。

 

※ソルーシア社は2012年米国の大手化学メーカー、イーストマンケミカルによるM&Aにより、同社の一部門となっています。 
http://www.eastman.com/Pages/Solutia.aspx 

 

子どもをガラス事故から守るために

ソルーシア・ジャパン社から合わせガラスのお話しを伺ったときに、何とか力になりたいと思いました。合わせガラスが普及すればガラス事故で怪我をする人的被害を減らせます。ガラス事故で怪我をするのは、圧倒的に子どもとお年寄りが多いのです。

 

日本で普及が進まない一番の理由は認知率の低さ。合わせガラスをペアガラスのことだと思い込んでいる人がほとんどでした。価格の高さももう一つの理由ですが、それ以前に正しく理解されていませんでした。

 

そこで、提案したのが、合わせガラスを防犯ガラスとしてセキュリティショップで販売することです。当時はちょうどピッキング強盗などが話題になり、防犯に関心が集まっている頃でした。
合わせガラスに「防犯」という付加価値を付けて、これまでとは違う流通ルート「セキュリティショップ」で販売をする。日本には概念も基準もなかった「防犯ガラス」の定義を欧米の基準を合格させることで新たに設定し、施行方法と施行品質まで踏み込んで規格を統一しました。価格は工賃込みで大きさによる定価販売とし、見積と注文も当時では珍しくネットも活用。更に、ガラスに保険を付けました。

 


施工図

 

日本で初めての防犯ガラスは、そのコンセプトと流通から施行までトータルに考えられたビジネスデザインが評価され、GoodDesign賞(新領域部門)を受賞しました。
http://www.g-mark.org/award/describe/28337?token=it5xN64i9W

 

「Saflexとおせんぼ」の登場からほぼ半年後、国内大手ガラスメーカー3社が揃って同じスペックの防犯ガラス(いずれも中間膜はSaflex)を発売しました。これに伴い、防犯ガラス=合わせガラスの普及が進み、今では大手ハウスメーカーの新築戸建てには、防犯ガラスが標準で組み込まれるまでになっています。また、学校や大型商業施設、都心の高層ビルなどにも合わせガラスは取り入れられるようになって来ました。
合わせガラスの普及に伴い、子ども達のガラス事故被害は大幅に減っています。

 

※福岡の身近な建築物、博多リバレインではアトリウムを覆うガラスをはじめ、主要なガラス面は合わせガラスが採用されています。

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